2013年3月23日土曜日

住所を頼りに目的のお宅までたどり着く方法

ロシアの住所は通りに基づいているため、住所さえ分かれば簡単に家を探し出すことができます。今回は例題として次の住所のお宅を探してみましょう。

город Пермь, улица петропавловская, дом 83, квартира 20

日本語で書くと「ペルミ市 ペトロパヴロフスカヤ通り 83-20」となります。
83は家の番号で、20はマンションの部屋の番号です。

余談ですが、ロシアは99パーセント以上がマンション住まいです。地域によっては町中にも個人の家 (частный дом) があります。大抵は共産国家が成立する前に立てられた木造の非常に古い家ばかりです。

日本語だとマンションの各戸の呼び名が「家」だったり「部屋」だったりで、専用の一般的な言葉がなく、たまに紛らわしいことがあったりしますが、ロシア語では
дом 家。通常はマンション (многоквартирный дом) を指す
квартира マンションの各住戸を指す
комната 家(住戸)の中の部屋を指す
となっています。

さらに、もう一つ大切な言葉があります。
подъезд マンションの入口から各квартираまでの廊下、階段の部分を指す言葉です。
日本のマンションは通常、マンションの入口は一つで、上の階へはそこから入って階段またはエレベーターで上の階へ上がって、長い廊下に各部屋が並んでいる、というタイプですが、ロシアの場合は長い廊下は通常なく、一つの横に長いマンションに複数のподъездがあります。

下の写真の場合、青・緑・紫の各小さい丸で囲った部分がподъездで、それぞれのподъездから行けるквартираは大きい丸で囲った部分のそれぞれのквартираだけとなります。横に繋がる廊下はありません。



подъездは普通下の写真のような感じになっています。
ドアの上(赤い丸で囲った部分)にподъездの番号と、そのподъездから行くことの出来る各квартираの番号が書かれています。(たまにこの部分に広告が貼られていて、番号が見えなかったりしますw)。この写真だと、подъездは3番目で、行けるквартираは29番から42番だと言うことが分かります。
また、подъездの扉は100%磁気オートロック式なので、磁気キーを使うか部屋番号を押して中の人に開けてもらう必要があります(後述、オレンジの丸で囲った部分の機械 домофон を使う)。



では、まずは上記の住所を地図から探してみましょう。Googleマップで十分ですが、ロシアの場合はЯндекс (ヤンデクス)というポータルサイトの地図の方が正確なのでおすすめです。どちらの地図でも良いので開いたら「 пермь петропавловская 83 」と入力して検索してみてください。下のように、簡単にдомが見つかると思います。



GoogleとЯндексどちらの地図でもストリートビュー(Яндексの方はпанорамаをクリックして道路上に表示される青いラインをクリックする)でマンションの様子を見ることが出来ると思います。このдомの場合はソヴェツカヤ通りの方から見た方が良いでしょう。


さて、無事に83番のквартираを見つけることが出来たら、部屋番号が20番に通じるподъездを見つけなければなりません。ストリートビューで見た感じだとподъездが7つぐらいある感じですね。で、実は20番のквартираのподъездは1番です。1番なので右端か左端のподъездが正解となります。どっちかは行ってみないと分かりませんが、多分、となりの81番・79番のдомの側にあるんじゃないかと思います。
こちらがそのподъезд。ご丁寧に通りの名前と家の番号まで大きく書かれていますね。1番から36番までのквартираがこのподъездです。


20番のお宅におじゃまする場合は、扉についている機械 (домофон) で20と押せば、квартираの玄関にあるдомофонが鳴って、人がいれば開けてくれます。



では、もう一つ、今度は「 г. Волжский, ул. Дружбы, д. 16, к. 135 」に行ってみましょう。さっきは住所を略さずに書きましたが、普通はこのように略して書きます。 г. は город、 ул. は улица、 д. は дом、 к. は квартира の略です。言葉を略すときは必ずピリオドを打ちます。また、母音が先頭に来る場合は次の子音を含める必要があります。それと、住所の区切りではカンマを打たなければなりません。


この地図で、Дружбы通りに分類されるдомは水色の丸で囲った番号のдомになります。赤い丸で囲ったдомはПионерская通りの家です。実際に歩いて家を探すとき、交差点付近のдомの場合は、どちらの通りのдомなのかをきちんと判断する必要があります。この地図に16番のдомは3つ見えますが、ул. Дружбыのдомは水色の矢印で示したдомです。赤い矢印で示したдомは ул. Пионерскаяのдомで、赤い矢印の北側にあるもう一つの丸で囲っていない16番のдомはそのдомが面している通りのдомになります(ул. Мира)。

実際に歩いて家を探す場合、普通は次の写真のように、各домに通りの名前と番号が書いてあるので、それを見れば分かります(通りの名前がなくて、番号だけの場合もあります)。



さて、ストリートビューでこのдомを見てみてください。あることに気づくと思います。ここから今度は135番のквартираに行くためのподъездを見つけなければならないわけですが、通りから眺めた限り、подъездが見当たらないと思います。

ロシアの家は通常、通りに面した部分から入れるのはお店などだけで、квартираに入るためのподъездは通りの裏側にあります。この16番の家だと下の地図のように、矢印で示した側にподъездが並んでいます。




подъездの上に貼ってある表示です。2つ表示がありますが、右の方を見てください。この表示があるдомは16番のдомではなく22番のдомです。ちょっと特殊な表示の仕方ですが、通りに正面から接しているдомが16番なのでулица Дружбы, 16と書いてあります。22番の家自体は16番のдомの裏側にあるのでこのような表記になっているのでしょう。表記中のм/рは микрорайонの略だと思います。
ところでこの表示、右と左でподъездの番号が違いますね。一体どういうことなんでしょう。不思議です。(不思議なのでネットに写真が上がっているんでしょうw)。


おまけ。
домофонについて。
下の写真はподъездのドアについているдомофонです。


いろいろな形がありますが、大体どこもこんな形です。
よそのお宅におじゃまする場合は番号を押すだけです。34番なら、3→4、153番なら1→5→3と押すだけです。B (вызов 呼び出し Bell と覚えても可) やC (сброс キャンセル cancel と覚えても可) は普通押さなくて大丈夫です。たまに番号の後にBを押さないと呼び出してくれない場合があります。

押すとその番号のквартираの玄関に備え付けてあるドアフォンが鳴ります。次の写真はドアフォンの写真です。


受話器を取ると、домофонで呼び出した人と会話が出来るので、お客さんが来たら誰なのか尋ねましょう。

Кто это? どなたですか。

入室を許可する場合は本体についている丸いボタンを押してください(赤丸で囲った部分)。подъездのドアが開くようになります。

ドアフォンが壊れていると、ボタンを押しても開けてもらうことが出来ません(よくあります)。そういうときは携帯電話で「подъездの前にいるので開けに来て」と頼むしかありません。

Сейчас я на подъезде. Откройте дверь.
今、подъездの前にいます。ドアを開けてください。

自分でподъездのドアを開ける場合は магнитик という電子キーを使います。次の写真がмагнитикです。


これを次の写真のように、домофонについている丸い部分に当てると開きます(かざすだけのタイプもあります)。



このмагнитикを持たずに外に出てしまうと中に入れなくなります。ちょっとゴミ捨てに行くだけとかいう場合でも忘れないように気をつけましょう。万が一忘れてしまったら同じподъездの他の家の番号を押して、開けてくれるよう頼むか、誰かが出入りするのを待つしかありません。停電時やдомофонが故障しているときは電子ロックが解除されてдомофонを操作しなくてもドアが開くようになります。


もう一つおまけ。
подъездの中の様子。

階段 лестница と郵便受け почтовый ящик とエレベーター лифт (элеваторとは滅多に言わない)。ソ連時代の古いдомだとлифтがないことが多いです。



подъездにも暖房器具 батарея がついてて、冬は暖かいです。


подъездに並んでいる各квартираの扉。どうやらこのдомにはлифтが無いようですね。なお、ロシアには表札という物がありません。正面左のように普通は部屋番号だけが掲示されています。正面右のように部屋番号すらないことも多いです。番号がないときは隣近所の番号を見てどれが目的のквартираか判断しなければなりません。



ロシアのлифт。せまいです。ドア横のボタンは一つだけで、上行きと下行きに分かれていません。

лифтのボタン кнопки。開けるボタンはありますが、すぐに閉めるためのボタンはないのが普通です。あとлифт内には何階かを示す表示は普通ありません。



подъездの階段などは放っておくと汚くなるので、подъезд専門の掃除のおばさんが各домにいます。月に1回、清掃料を集金に来ます。各квартираに何人住んでいるかで料金が変わります。料金は1か月1人当たり数十ルーブルです。地域差が大きいです。

フレーズ

Какой подъезд?  どのподъездですか。
Третий подъезд.  3番のподъездです。

Какая квартира?  何番のквартираですか。
Сорок шестая.  46番です。

На каком этаже?  何階にありますか。
На втором этаже.  2階です。

На какой этаж?  何階へ行きますか。
На четвёртый этаж.  4階へ行きます。

Вниз?  下へ行きますか。
Нет, вверх.  いいえ、上へ行きます。

Я сейчас на подъезде.  今、подъездの前にいます。

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